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Since late March I have been in quarantine in an island in Southern Chile. Being busy with physical voluntary work for a camping site where I'm staying in my tent happily under a roof for free of charge. How lucky I am to have reached this place, whose owner kindly accepted me even in this global mess, and be protected from drops of water in this island known for much precipitation. Moreover, how lucky to be able to work outside and always be in the green while many of you have been forced to keep staying home.. I will wait here for the situation to be back to normal and for the day to come when eventually I will be allowed to start pedaling again for the southern tip of the America continent. Hope you are doing well too and I see you oneday again.

Greeting to all my friends from Chiloe, an island with attractive wooden churches and much benefit of the sea.

※posted on facebook middle May 2020



どうもお久しぶりです。

チリ南部にあるチロエ島で、外部との接触を避けた隔離生活を始めて早1ヵ月半が経とうとしています。コロナウイルスによる混乱の中でも受け入れてくれたキャンプ場で、ボランティアの肉体労働をしながら無料でテント泊をさせてもらっています。雨の多いことで知られる島なのですが、有難いことに屋根の下で雨を凌げています。外出禁止・自粛で外に自由に出れない人が世界中にたくさんいる中で、毎日緑の中で体を動かせている自分は、本当に恵まれた環境に身を置くことができたものだなと外の様子を聞く度につくづくそう思います。

5月に入り、南米各国のウイルス感染者数はぐんぐんと増えており、封鎖された島が開き、さらに国境が開くまでまだまだかかりそうです。それまでペダルは漕げませんが、大陸最南端へ向かってもう一度走り出せる日が来ることを信じて、何かの縁でたどり着いた場所で、状況が正常に戻ってくれるのをもうしばらく待ちたいと思います。

ということで、海の恵と愛らしい木造教会に彩られたチロエ島にて僕は元気でやっています。みんなの無事を願っています。

※2020年5月中旬facebook投稿挨拶文より




2020年8月8日

8月に入り冬至の頃よりもずいぶん日が長くなってきました。相変わらず毎日のように雨が降りますが、雪はまだ一度も降っていません。すぐ南に位置するチリ本土のコジャイケまでいけば、もうそこは白い雪の世界になるようですが、ここチロエ島においては降雪は非常に稀なようです。それでも夜間は氷点下まで下がるので、夜明けにだけ見られる、霜が降り一面に白を帯びた芝地の光景に、冬の只中に在ることを実感させられます。

先月から羊の出産シーズンに入っており、滞在しているキャンプ場でも本日まで約20頭の赤ちゃんが誕生しました。生後10分もすれば何度かの試みのあと一人で立ち上がってよちよちと歩き出し、母乳をしゃぶり始めます。赤ちゃん羊が草地でぴょんぴょん跳ねて遊んでいる姿は実に微笑ましいです。ただ、夜中になってもウェーウェーと泣き叫び、それに呼応して母羊たちがやはりメェーメェーと僕のテントの後方で泣くもので、なかなか寝付かせてもらえないこともあったりします。目の前の海から吹いてくる強風で、実際の気温よりも体感はずっと寒いため、先日、生まれたての赤ちゃんが夜を越せず凍死してしまいました。

仕事は天候に翻弄されながらの外作業が続きます。オーナーが所有する広大な土地を、キャンプ場の拡大のため、そして敷地全体の景観維持のために、チェーンソーで木々を間引きし、長い間放置された巨大な根っこを解体して、鉈で枝草を刈るという作業が中心に常にあり、それに並行して簡単な溶接やコンクリート作り、羊小屋の清掃、羊肉を燻すための燻製小屋作りなどなどの作業をしてきました。

多雨に加え、今は日も短いので、一日で行う作業はたいした量ではありませんが、裏山の土壌の壁面を鍬やスコップで削って採砂して、雨でできた泥地や水たまりを子羊たちが怖がらずに通れるように埋め立てたり、調理用兼暖を取るための薪を集めに森に入ったりといった上記仕事以外の日課もあるため、日々程よく忙しく、時の移り変わりがとても早く感じられます。満月と新月の日、そしてその前後の数日間は、干潮時前になると鍬とバケツを持って浜に出て貴重なタンパク質の補給源としてアサリを採ります。ムール貝もそうですが、チロエの海の幸は大きくて食べ応えがあります。浅瀬で獲れるカニも重要なたんぱく源です。

自分の他にもう1人テント泊しているチリ人の旅人がおり、彼も一緒に働いていて、食事は彼と交替制で作っています。キッチンとして使っている小屋に、荷押し車で往復して集めてきた薪を蓄えています。仕事柄、薪にする木はたくさんあるのですが、枯れ木を集めても雨でいつも湿っているので煙がひどいです。およそ3週間に1度マスクをしてバスで町に買い出しにいき、食材を大量に仕入れます。品ごとに1番安い店に行くので買い出しの日は1日がかりです。保存が効かないものは基本購入できません。相方が菜食主義者(魚介は食す)なので肉は乾燥大豆肉のみ購入します。

米やパスタの他は、小麦粉から生地を作り、パン、揚げパン、パンケーキを、また愛着のある自作麺棒を転がして、エンパナダやチャパティ、手打ちうどんに餃子なども作ります。おかずは大豆肉や豆類、卵に種々の野菜, ルチェと呼ばれる海藻などを使って作り、食後はミントやユーカリの葉を採ってきてつくるハーブ茶で締めます。チロエ島の特に北部は水が濁っていておいしくないのですが、このキャンプ場では地下50mほどの深さから引っ張てきているおいしい井戸水が利用できるのがうれしいです。

食料はプラスチック製のカゴと、ちょっとした冷蔵庫として活躍してくれているドラム缶に入れて保管しています。今は気温が低いので、ドラム缶の下方に作り置きした食べ物を保管しておけば数日は持ちますが、野菜に関しては根菜以外はすぐ悪くなってしまいます。温かい季節がやってきたときのことを考えると食料の保存は悩ましい問題です。

加えてネズミによる被害も深刻で、食料カゴをかじって中に侵入し何度も貴重な食料をやられています。忘れずに蓋をして重しを置き、内側から木板やプラスチック板などを当てて二重壁にして現在はなんとか被害を最小限まで防げていますが、これまでこちらが対策を講じれば突破されての、いたちごっこが続いている状況で気が抜けません。

こんな様子のチロエ島での隔離生活も、まもなく5ヵ月を数えようとしています。公表されているものでは、8月8日現在チリ国内の感染者数は約37万人、ブラジルの約300万人は突出していますが他の隣国も感染拡大が止まる兆しは未だまったくありません。

チリでは入国毎に90日もらえるため、隣国に出国し再入国すれば滞在は基本リセットされるのですが、国境が閉まっているためそれはかないません。大陸全体、世界全体での異常事態下ですので、例えばお隣のペルーにおいて、身動きのとれない外国人に対し差し当たり100日の追加滞在が自動的に認められているように、チリでも無償での滞在延長を容認するなんらかの政策が施行されることを願ってきましたが、何も起こらないまま自分の滞在期限(6月初旬)が近付き、5月下旬にオンラインでの90日間の滞在延長申請(承認された後、100ドル相当の現地通貨を振り込み手続き終了となる)を行いました。

しかし、入国管理局(内務省外国人課)のホームページの延長申請必要書類についての記述方が混乱させるもので、(必要書類の一つとしてTarjeta de Turismoとの記載がホームページにはあるのですが、入国時に受け取るレシートのようなその実際の紙にはTarjeta Unica Migratoriaと記載してあるため、Tarjeta de Turismoというものは自分は持っていないものだろうと思い込み)、書類が一つ漏れた状態で申請、その後”書類不備で非承認”との機械的な回答が送られてきたときには、すでに滞在期限を過ぎておりました。すぐに必要書類をすべて揃えて再度申請したのですが、期限超過を理由にやはり機械的に非承認の回答。在チリ日本大使館が間に入って自分のケースについてチリ内務省に照会してくれていたのですが、1ヵ月以上待って7月中旬にようやく得られた回答は超過滞在に対する罰金の支払いを要求するものでした。罰金額には上限があり、たとえ数年超過でも一年超過でも額は変わらずおよそ115ドル相当で、延長申請費用と比べると疑わしいほどに低い罰金額設定ではありますが、このような身動きがとれない状況下で、それがまったく考慮されず、何か悪いことをしているかのような扱いを受けるのが腑に落ちず、とても悔しく感じました。

ちなみに滞在している町の出入国関連業務を扱う警察(PDI)からは「事が収まるまで今いる場所で滞在していればいい、何も問題ないから心配するな」と言われています。入国管理局が採る政策と、警察から受ける指示との間には大きなズレがあり当惑させられますが、状況を考慮して警察がそういってくれているように、いつまで続くのかわからない前例のない事態が起きているわけですから、白とか黒とかの前に優先してとられるべき措置があって然るべきだと思います。

仮に今、封鎖されているチロエ島から僕が出島するためには、事前に島北部のチャカオ(Chacao)港当局に連絡し、出国のための航空券とパスポートを提示すれば、再入島不可を条件に対岸のチリ本土へと船で渡れるようです。しかし、そこから首都サンティアゴまでは直線距離で1000kmほどあり、チロエ島内外で公共交通機関が正常に運行されていない今、キャンプ場を含めほぼすべてといってよいであろう宿泊施設が閉まっている中、夜間外出禁止令化(22時~翌5時)で公的には野営も許されない国内を自転車で走って首都を目指すことは現実的なものではありません。第一、目の前のプエルト・モン(7月27日~)を含めた途中にある町々・地域がロックダウン状態(義務的自宅待機措置)にあるのです。今出ればプエルト・モンにも入れず、チロエ島への再入島も認められず、身動きがとれなくなることも予想されます。それ以前の問題として航空便自体も欠航が相次いでいる状況です。

それでも、大使館から道中の検問での通行許可を求めるレターを発行してもらい、強い帰国の意志を持って飛び出せば、夜間は警察署などに保護を求めながら、なんとかできるのかもしれませんが、そもそもなによりも先ず、現時点において自分に帰国の意志がないので、どうすれば帰国できるのかを具体的に考えることに今時間を費やすことに意味はありません。

次に帰国するときはとことんやりきった気持ちで、と思いながらやってきました。いろいろな想いの中で強いこだわりをもって続けてきた旅ですから、罰金を科されようが ''前に進めることを信じて待つ'' それしか今自分の固い頭の中にはないのです。

来月にはもう冬が明けますが、近付いてくる季節の移り変わりを告げるさまざまな心ときめく合図の訪れに、「さあガンガン走るぞ」と例年のようには思うことのできない、なんとも奇妙でやるせない春を迎えることになりそうです。単に待つだけの時間ではなく、大いに有意義な時間に変えてしまおうと思っております。



@Quellón/Chiloé

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hiromu jimbo

Author:hiromu jimbo
I'm in a challenge to cycle around the world
since May 2009,started from Istanbul,Turkey.
Motivation for this journey just comes from big curiosity about the world.I'd like to see and feel the ordinary life of the people living in defferent cultures.

2009年5月末イスタンブールより
自転車世界一周挑戦中です。
世界で起きていることへの大きな好奇心がペダルを回しています。その土地で生きる人の日常生活を見ていけたらと思います。

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